ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< Jazz的要素を含むエレクトロニカ | main | 山下洋輔トリオ復活祭 >>
2009.08.14 Friday

Haiti / Simon Goubert 名盤を探せPart 1-168

Haiti / Simon Goubert
168. HAITI / SIMON GOUBERT
SIMON GOUBERT(ds) STEVE GROSSMAN(ts) JEAN MICHEL COUCHET(as) LAURENT FICKELSON(p) STEPHANE PERSIANI(b)
書いときましたよ、池田さん。

注:このコメントの背景事情について
もともとこのアルバムは、OBの池田氏が発見、購入し、当時現役だった原田氏に聴かせて、「ジャズ研の名盤を探せ」に書くように頼んでおいたものである。それゆえ、この様なコメントになった。

このアルバムはこれを機に当ジャズ研のサックス吹きおよびドラマー必聴の1枚となったといっても過言ではない。
Simon Goubert(ds), Steve Grossman(ts,ss), Jean Michel Couchet(as), Laurent Fickelson(pf), Stephane Persiani(b)

1.Take Five
2.Riverbop
3.Naima
4.Haiti

Recorded: February 10-11, 1991

SEVENTH Records



AER営業、合宿のコンボで前回の更新からずいぶんと間が開いてしまいました。

今回は東北大ジャズ研ならかなりの人数が持っていて、絶対聴いていなくてはならないCDの1枚、「Haiti」の登場です。

リーダーであるドラムのSimon Goubert(シモン・グベール)は、フランスのプログレッシブロック(ホントにあれをプログレに分類すべきかは非常に悩みますが)バンドであるMAGMA(マグマ)にてキーボーディストとして活躍しました。MAGMAのリーダーはChristian Vander(クリスチャン・ヴァンデ)というドラム・キーボード・ボーカルの人で、造語によるコーラスとアヴァンギャルドな伴奏が超カッコイイバンドです。


ちなみにこんなバンドです。超カッコイイです。

Wikipediaから引用しますと、
1967年ジャズサックス奏者ジョン・コルトレーン (John Coltrane) の大ファンだったクリスチャン・ヴァンデは彼の死にショックを受け、イタリア放浪を始める。放浪生活中「啓示を受け」フランスに帰郷、69年MAGMAを結成する。

とありまして、MAGMA自体もかなりジャズ色が濃いバンドになっております。

そんなMAGMAのメンバーだったSimon Goubertのアルバム、しかもMAGMAのCDを出しているSEVENTH Recordsから出ているCDなので、かなり系統は似ています。

本CDはSimon Goubertの初リーダー作(のはず)で、そこにあのSteve Grossmanが参加しています。レコーディングは1991年にもかかわらず、そこでのグロスマンの演奏は70年代のコルトレーンスタイルそのもので、非常にアグレッシブで凶暴・凶悪です。
アルトサックスを吹くJean Michel Couchetも非常に音色・フレーズが独特でものすごくかっこよく、名演を聴かせてくれます。ちなみにJean Michel Couchetは2008年に来日しました。その際に東北大ジャズ研東京支部の人たちはかなり大騒ぎして見に行ってました。

参考までに、1つ動画を貼っておきます。これはMAGMAのリーダーChristian VanderとSimon GoubertによるWelcomeというバンドの演奏でして、CDも1枚出ております。こちらの動画の曲もそのCDに入っています。

こちらのCDもありえなくカッコイイのでいつかこのblogで紹介することになるかと思います。


それでは曲の紹介に入りたいと思います。
まずは1曲目、ポール・デスモンド作曲のTake Five。ピアノのイントロから入るのですが、デイヴ・ブルーベック&ポール・デスモンドのそれはほぼ原型をとどめておらずまるでコルトレーンのMy Favorite Thingsのような入りです。そしてアルトサックスによるテーマが始まるのですが、テーマの1小節目2拍目部分までしかフレーズを吹きません。かなりフェイクされまくってます。原曲がかなりカチっとした演奏をしているのと対照的にこのCDでは流れるような感じで演奏されます。そしてそこへグロスマンのチャルメラ系音色のソプラノが怒濤のごとく絡んできます。なんだ、やろうと思えばまだグロスマンもこういう系統の演奏出来るじゃん、と思うのですが、90年代以降でこういったスタイルの演奏が聴けるのは恐らくこのCDしかありません。
アルトのソロの間はイントロのパターンをずっと続け、ピアノへとソロを渡す際にブリッジ的に中間部のコード進行が出てきます。そしてピアノソロへ。ピアノソロの後にはブリッジが入らず、グロスマンの強烈なソプラノが入ってきます。70年代のグロスマン節炸裂のすさまじいソロが聴けます。グロスマンのソロの後はテーマに戻らず曲は終了します。14分48秒の強烈なTake Fiveです。

2曲目、Riverbop。この曲はグロスマン作曲なんですが、タイトルにバップ、と付いてはいるものの全然バップしてません。完全にモードです。曲としましては「Born At The Same Time」に収録されているA Chamadaにそっくりです。ほぼキーが違うだけの、AABA構成のBで恐らく半音上がってるだけ、といった感じです。コードもA、B部分、それぞれ1発でしょう。
グロスマンの猛烈なテナーによるテーマの咆吼の後、ピアノソロに入ります。ピアノのLaurent Fickelsonは唸りまくりながら弾きまくります。その後グロスマンのテナーソロへ。吹きまくり、咆えまくりでA Chamadaにそっくりです。Jean Michel Couchetのソロは無くそのまま後テーマに入って終わります。

3曲目、コルトレーンのNaima。グロスマンのソプラノとJean Michel Couchetのアルトのハモリによる美しいテーマの後、グロスマンのソロに入ります。さすがにバラードなので、抑え気味に演奏しますが、ロリンズスタイルになった80年代以降のグロスマンのソロとはあきらかに違ったフレーズを聴くことが出来ます。この曲ではソロはグロスマンだけで、後テーマに入って終わります。

4曲目、Haiti。タイトル曲だけあって21分39秒にも及ぶ大作です。
Stephane Persianiによるベースソロが2分30秒続いて、ルバートでグロスマンによる泣きまくりのテナーサックスが入ってきます。ここでのグロスマンの演奏がこのCD一番の聴き所かもしれません。フレーズが泣きまくってます。3分過ぎ辺りからの泣きフレーズは聴いていて鳥肌が立ちまくります。グロスマンによるイントロの終わりにJean Michel Couchetが絡んで来て、両者フラジオや倍音を多用し咆えまくりフリーに突入します。このフリー部分も熱い!
だんだんとドラムによるリズムキープが始まり8分あたりからピアノソロへと突入します。コード進行はAABA構成のモードで、雰囲気としては2曲目のRiverbopに似ています。ピアノは相変わらず唸りまくります。そして10分30秒あたりからグロスマンの猛烈なフラジオと共にテナーソロが始まります。序盤から飛ばしまくりであのグロスマンのファズがかかったフラジオ+オルタネートフィンガリングでグイグイと盛り上げてくれます。ソロ終盤からJean Michel Couchetのアルトが絡んできて2菅のバトルに突入します。そして14分過ぎあたりからドラムソロへと入ります。ドラムソロが終わるとグロスマン、Jean Michel Couchetによる泣きまくりのエンディングになり、曲は終わります。この曲を聴いて思ったのは、サックスというのはここまで感情を込めることが出来るんだ、ということです。イントロ・エンディングでのサックス両者の音は泣きまくってます。本当に凄いです。


正直このCDはグロスマンの一人勝ち感が非常に強いです。Jean Michel Couchetは他のSimon Goubertのアルバムにも沢山参加しており、そちらで素晴らしい演奏を聴かせてくれるのですが、「Haiti」ではグロスマンが圧倒的すぎます。
究極のテナーサックスシリーズとしてナンバリングされていませんが、これはまさに究極のテナーサックスアルバムの一つでしょう。鬼気迫るグロスマンのプレイを聴きたいのでしたら是非とも買ってみて下さい。
購入は、VENTO AZULからするのが手っ取り早く、さらに安いと思います。


M-P240

M-P240

M240

M240

M-E

Monochrom

X113

X-Vario

X-Vario

X-E

コメント
コメントする








 
この記事のトラックバックURL
トラックバック
Powered by
30days Album