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2009.07.13 Monday

Loaded / The Quartet 名盤を探せPart 1-9

Loaded / The Quartet
9. LOADED / THE QUARTET
TOMASZ SZKALSKI(sax) SLAWOMIR KULPOWICZ(p) PAWEL JARZEBSKI(b) JANUSZ STEFANSKI(ds)
これは、G.DUDECK などの THE QUARTET ではなく、フィンランドあたりの THE QUARTET で ピアノは、 McCOY TYNER よりもマッコイしてます。
Tomasz Szukalski(ss,ts,b-cl), Slawomir Kulpowicz(pf), Pawel Jarzebski(b), Janusz Stefanski(ds)

Side One
1.Mr.Person
2.Macondo

Side Two
1.The Promise
2.Train People


All Compositions by Slawomir Kulpowicz

Recorded: November 4, 1979

LEO Records


ポーランドジャズの隠れ人気盤、かつジャズ研に代々伝わる大人気盤である「Loaded」の登場です。
残念ながらこの作品はLPのみでCD化はされていません。しかも発売元のレコード会社が無くなってしまったため、CD化の見込みは非常に薄いです。
ジャズ研名盤の解説ではフィンランドあたりのThe Quartetとありますが、これはレコーデイングがヘルシンキで行われているだけで実際にはメンバー全員がポーランド人です。よって、これは歴としたポーランドジャズです。

参加メンバーの紹介をしていきたいと思います。フロントでテナー・ソプラノ・バスクラを吹くTomasz Szukalski、彼はポーランドでは非常に有名なサックス奏者で、Tomasz StankoやZbigniew Namyslowskiのアルバムにも数多く参加しています。コルトレーンフォロワーであり、コルトレーンっぽいフレーズを聴かせてくれます。ECMではTomasz Stankoの「Balladyna」(ECM1071)や、Edward Vasalaの「Satu」(ECM1088)にて彼の演奏を聴くことが出来ます。
Polish Jazz.comでは彼のリーダーで代表作でもある「Body & Soul」をまだ買うことが出来ます。

ピアノのSlawomir Kulpowicz、彼は残念ながら2008年に亡くなりました。この盤では全曲の作曲を担当し、恐らくThe Quartetのリーダー的位置づけと思われます。マッコイタイナーフォロワーらしく、彼のピアノタッチ、フレーズはマッコイそのものです。この盤でもやたらとマッコイ臭いフレーズを弾きまくってくれます。彼もまたポーランドの作品に多く参加しています。オラシオさんの話によると、80年代後半からは中近東やアジアの民族音楽やアンビエントミュージックに興味を示したらしくそっち関係のアルバムばかり出していたそうです。

こんな感じ。「Loaded」の面影は一切ありません。
またAlice Coltraneのアルバムにも参加しています。

ベースのPawel JarzebskiとドラムのJanusz Stefanski、彼らもポーランドのCDを買うと時々名前を見ます。私自身はあまり詳しくないのですが、現地での知名度はなかなか有るようです。


「Loaded」は非常に燃え燃えです。ジャズ研の燃え燃えLP定番中の定番かと思います。それでは曲の紹介をしていきたいと思います。

まずはA面1曲目、Mr.Person。youtubeにSlawomir Kulpowiczを追悼してか音源がUPされていたので貼っておきます。

3/4拍子の曲でキーはEm。テーマとソロでは微妙にコード進行が違います(筆者はライブでやったことが有るので譜面を持ってます)。
Tomasz Szukalskiはソプラノでブリブリと吹きまくってくれます。ピアノは”ごんちゃっちゃ”の典型的な燃え燃え曲となっています。youtubeの音源を聴いていただければ、「Loaded」がどの類のジャズ作品なのかよーくわかると思います。ピアノソロは入りから思いっきりマッコイしてて笑えます。ある意味、マッコイよりマッコイしてます。ピアノタッチもフレージングもマッコイタイナーそのままです。注目したいところです。

A面2曲目Macondo。ドラムの1分を越えるイントロから始まりそこにベースのリフが乗っかってきます。そしてピアノの”ごんちゃっちゃ”です。1曲目のMr.Personと似た系統の曲で、相変わらずSzukalskiがソプラノでブリブリ吹きまくりの燃え燃えです。拍子は4/4ですが、1曲目と殆ど変わらぬ燃え上がりっぷりで聴き応え満載です。毎コーラス途中にキメがありそれがとてもカッコイイです。

B面1曲目The Promise。1,2曲目とはうって変わってバラードっぽい曲です。イントロから4分間はバラード的にSzukalskiがテナーでしっとりとピアノと共に歌い上げます。そこから3/4のワルツになります。テナーのソロは割と熱めです。ピアノソロは無く、テナーのソロが終わるとベースソロに突入し、後テーマ・エンディングへと入っていきます。

B面2曲目Train People。このLP最大の聴き所でしょう。初っぱなからバスクラリネットの絶叫で始まります。バスクラによるイントロがしばらく続きます。怪しげなフレーズを吹き始めてそこに怪しいピアノとパーカッションが絡んできます、そして最後にリフを吹き始めて一気にドラムが”ドッドッドッドッ”と入ってきてバスクラがギュイーン!とやって終わります。この曲を聴いてジャズ研の何人のテナー奏者が「バスクラ欲しい」と思ったことでしょう。私の上の先輩はかなり「バスクラ欲しい。バスクラ買ってTrain Peopleやりたい」とか言ってました。
バスクラによるイントロが終わるとテナーによるテーマが始まります。フレーズにフラジオの混ざった燃え燃えのテーマで非常にカッコイイです。それに続くテナーソロも燃え燃えのギュイーン!ブォエー!です。ピアノソロも相変わらずマッコイしてくれます。


この「Loaded」以外にもThe Quartetはもう一枚LPを出しています。レーベルはポーランドのPoljazzで、たまにヤフオクに出品されたりしてます。ですが2ndアルバムであるこの「Loaded」ほど熱くはなく、「Loaded」のほうが人気があるようです。
「Loaded」自体はそれなりに流通があるようで、中古LPショップやヤフオクに張り込めばいつかは手に入ると思います。

この「Loaded」、「The Quartet again」というアルバムにて全曲を同一メンバーにて再演されております(※追記 どうやら再演盤ではなく、初CD化なのかもしれません。詳細不明ですが、手に入りましたらまた詳しく書きます)。ですがCD自体が限定生産らしく、そちらの入手難度は非常に高いです。ポーランドのオークションサイトであるallegroにて出品されているのを一度だけ見かけました。オラシオさんはeBayでも一度だけ見かけたそうです。
allegroに出品されていた際のジャケ写真を、無断転載になってしまいますが、ここに載せておきます。
The Quartet again 1

The Quartet again 2

こちらのCDをもし入手できましたら、是非ともコメントのほうで内容をおきかせ頂けたら、と思います。非常に興味があります。


ジャズ研部員でしたら、是非とも一度はこの「Loaded」、聴いてみて下さい。燃え燃えジャズを堪能できます。

M-P240

M-P240

M240

M240

M-E

Monochrom

X113

X-Vario

X-Vario

X-E

コメント
CDの件ですが,これは本当に再演盤でしょうか?曲の長さを見ると,オリジナル盤とほとんど差がありません.同じメンバーが集まって同じ曲をほぼ同じ長さで演奏するというのは考えにくいので,CDのリイッシューではないかと思われるのですが,オークションサイトでの説明はどのようになっていたのでしょうか?
  • :-)
  • 2009.09.18 Friday 18:34
コメントありがとうございます。
Loaded関係に食いついてくださる方がいて非常にうれしいです。

最初にそのallegroに出ていたCDを見たときはLPのものと演奏時間が似ているな、程度にしか思いませんでしたが、今回ご指摘いただいて確認したところ、LPをCD化したものと秒数表示がほぼ一致していて驚きました。

オリジナルLPの演奏時間ですが、あくまで目安ですが
Mr.Person 8:32(again=8;32)
Macondo 11:20(again=11:02)
The Promise 11:40(again=11:42)
Train People 10:18(again=10:18)
こんな感じでした。

全く同じテンポで、LPと同じコーラス数でソロをとり続けるというのはかなりありえないのでこれはLPのCD化とみて間違いないのかも知れません。

Macondoだけ18秒も差があるのですが、これは誤差というレベルを超えているので最初のドラムのイントロが削られている可能性もありますね。

Train Peopleなんかはあの冒頭部のフリーがありますし、再演で秒数単位まできっちり合わせるのは不可能でしょう。

allegroで見かけたときのオークションのページを印刷して持っています。またそのページもHTMLで保存してあります。

文章はポーランド語なので全く読めません。日本語以外では英語しかまともに読み書きできる言葉が無いので、ポーランド語では本当に殆ど説明がわかりませんでした。

正直見つけたときは「again」という文字を見て再演かと思ってしまったのですが、初CD化っぽいですね。

上手く表示されないかもしれませんが、当時のオークションの説明文を貼っておきます。


Zapraszam Wszystkich serdecznie do licytacji unikatowego albumu The Quartet Again.

ALBUM JEST SERI&#260;: LIMITED EDITION!!!!

P&#322;yta pochodzi z mojej domowej kolekcji. Stan p&#322;yty oceniam na bardzo dobry. Ma ona kilka ma&#322;ych rysek, kt&oacute;re zupe&#322;nie nie przeszkadzaj&#261; w ods&#322;uchu.






The Quartet Again
Wydawnictwo: Agencja Artystyczna a.m.i.001





1. Mr. Person 8:32
2. Macondo 11:02
3. The Promise 11:42
4. Train People 10:18
kompozycje: S&#322;awomir Kulpowicz

Fortepian: S&#322;awomir Kulpowicz
Saksofon: Tomasz Szukalski
Kontraba: Pawe&#322; Jarz&#281;bski
Perkusja: Janusz Stefa&#324;ski



JEST TO WY&#347;MIENITY K&#261;SEK DLA KOLEKCJONER&oacute;W i FAN&oacute;W POLSKIEGO JAZZU...ORAZ BARDZO DOBRA POZYCJA W DOMOWEJ KOLEKCJI.
SERDECZNIE POLECAM I ZAPRASZAM ..... SPRAWDZ TO...!!

JEDYNA NA ALLEGRO!!

DOBRY POLSKI JAZZ!!!


My&#347;l&#281;, &#380;e ta formacja by&#322;a jedn&#261; z najwa&#380;niejszych w historii polskiego jazzu.
  • 汎猫
  • 2009.09.19 Saturday 05:59
汎猫様、おひさしぶりです。
オラシオ主催万国音楽博覧会のオラシオです。
こちらのブログを始められたのは前々から存じ上げていたのですが、コメントのタイミングを逃したまま今に至り、失礼しております。
本日(12/1)の最新記事にも書いたのですが、このSLAWOMIR KULPOWICZのTHE QUARTETの、こちらで主に書かれているLEOからのでない方、つまりPOLJAZZの方のアルバムがとうとうCD化されました。
ポーランドのMERLINなどで普通に通販出来ます。
また、こちらの記事を拝読して不勉強を痛感しましたが、リユニオンによる3枚目か!と喜んでいたものはどうやらLEO盤の初CD化だったようですねえ。
それはそれで嬉しいことですが。
まあ相変わらず入手可能なところを見つけられておりませんけれども。
結局彼らの3枚目は実現しませんでしたね。
ポーランドのジャズ雑誌読んでたら、リユニオン「THE QUARTET」のライヴはやっていたようですよ。
それでは失礼致します。
>オラシオさん

どうも、お久しぶりです。
学校忙しくて全然更新出来ていません。論文書き終わったらまた更新復活します。


The QuartetのPoljazzの方、CD化したんですが!
うわああああ、となり、早速Merlinを検索してみましたがポーランド語が読めないので見つけられませんでした・・・。検索しても引っかからなかったので、merlin.plじゃないのかもしれませんが・・・。

リユニオンThe Quartet・・・。そんなライブがあったとは・・・。そんな美味しいライブがあったのに見ることが出来なかったなんてものすごく悔しいです・・・。

この度は情報ありがとうございました!
  • 汎猫
  • 2009.12.02 Wednesday 00:47
こんにちは。
私はloadedのなかでMr.Personが特にお気に入りで演奏したいと思っているのですが、筆者様は楽譜を持っているというのを目にし、もしよろしければ楽譜のコピーまたはデータをいただけないかと思いコメントさせていただきました。
突然こんなお願いをしてしまい申し訳ありません。
  • 2016.05.14 Saturday 20:30
鶴さん、はじめまして。
コメントに気がついておらずお返事遅れました。
スキャンして電子データでお渡しなども可能です。
メールアドレス教えていただければと思います。
  • 汎猫
  • 2016.05.31 Tuesday 16:32
返信ありがとうございます。
メールアドレスを載せましたのでぜひ電子データでいただきたいです。
  • 2016.06.27 Monday 12:44
忙殺されておりました。
メールアドレス、見当たらないのですが…
私のアドレスを書いておいたのでそちらに何かしらのメールください…
  • 汎猫
  • 2016.07.01 Friday 08:50
あら、管理人画面からでないと見られないのか…
帰宅後ご連絡致します…
  • 汎猫
  • 2016.07.01 Friday 08:51
はじめまして!
筆者様はmr personを演奏されたことがあるということですが、他の収録曲についても演奏されたことがありますか?
  • 2018.10.17 Wednesday 12:06
>新さん
はじめまして!
Train Peopleはセッションで演奏したことがあります。
MacondoとThe Promiseは譜面は手元にあるものの、演奏したことがありません。
いつか全曲通しでやってみたいですねー。
  • 汎猫
  • 2018.10.24 Wednesday 00:50
セッションで!!すごいですね…
実はtrain peopleとthe promiseを演奏したくて、楽譜を書いているのですが、なかなか難しく、楽譜のスキャンデータをいただくことはできないでしょうか?
  • 2018.10.26 Friday 13:54
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